サタスペリプレイ第三回「アジトを求めて三千里」
2015年10月15日 連載動物園で傷心を癒していたらいつの間にか二頭の虎相手に読み書きの出来ないジャーナリスト・ツァオと肝っ玉婆さん・タニザキと共に死闘を演じるはめになったユーリィ。なんとか虎を撃退して二人を自分のチーム《酔いどれシカバネキャッツ》に誘い、我らがバー・ジェイルハウスへと帰還。そこで待っていたのはー
カルロス「ようユーリィ。いつの間にか姿が見えなくなってたから心配したぞ」
ユーリィ「いやちょっと野暮用で。それより新しい仲間を連れてきたから紹介するよ。ツァオとタニザキだ」
ツァオ「はじめまして。読み書きが出来ないせいで職場で虐められてるけど、お金だけはあるツァオ・ビクトルです」
タニザキ「あたしゃちょいと修羅場慣れしてるだけのただのババアだよ!ただ若い頃から無茶やってたのが響いたのか最近じゃ《※世界の敵》扱いでいつも命を狙われてるぐらいかねえ」
※世界の敵:ミナミか自分の縄張り以外のエリアに入ったとき、一定の判定をする。判定に失敗すると「盟約戦闘員」(そこそこ強い)が1D6人襲ってくるという迷惑千万な能力
カルロス「こりゃまた変な人材が来たなー。とりあえずみんなで自己紹介しつつ、オオサカ亜侠の伝統に従ってチーム名変更しようか」
ツァオ「心機一転ポジティブにいきたいし空飛ぶはつけたいなー」
タニザキ「亜侠たるもの暴力暴力&暴力あるのみだよ!」
カルロス「じゃあ元々のチーム名と合わせて空飛ぶ暴力キャッツかなぁ。一気にバイオレンスな感じになっちゃった」
ユーリィ「ところでフェルナンドくんと怪盗マハラジャさんの姿が見えないんですけど」
白葡萄「あの二人なら表の仕事だか趣味だかが忙しいからって暫く離脱だよー」
とにもかくにも新メンバーを迎え入れてガヤガヤしていると、彼らの前に男が一人。あの厄介な幽霊屋敷の事件を持ち込んでくれた《ミッドナイトくそったれ一家》のイチロー・ヤマモトだ。
イチロー「よ!この前はありがとうよ!さあ報酬を受け取ってくんな!」
そう言ってイチローは約束通りの現金と、家の鍵、そしてメモを渡してきた。
イチロー「この鍵が俺たちが以前使ってたアジトの鍵だ。アジトは沙京にある。メモにはアジトの住所と大家さんの住所と両方書いてるからよ。とりあえず大家さんに挨拶しておいてくれや」
カルロス「毎度、またなんかあったらいつでも言ってくれ」
イチロー「こちらこそ。ところでつかぬことを聞くが、あの坊主はさっきから扇風機?とイチャイチャしてるんだが、なんかヤバいクスリでもやってんのか」
白葡萄「失礼な!彼女は僕の恋人です!ねっエレーナ」
名状しがたき扇風機のようなもの改めエレーナ「ブオーーーー」
イチロー「アッヨウジオモイダシタカラモウカエルネ」
カルロス「アッハイ」
ツァオ「じゃあ次にやることも決まったみたいなんで、病院連れてって貰っていいっすかね。なにげに動物園からずっと気絶寸前なんで...」
カルロス「あっ忘れてたわ」
というわけで亜侠御用達の※乃木クリニックで安くない治療費を自分で支払ってなんとか回復したツァオ。白葡萄に乃木院長からの熱烈なお誘いがあったものの、白葡萄は断固拒否したそうな。
※乃木クリニックの乃木院長:裏社会で有名な闇医者にして年下・美形好きのゲイ。彼の好みの男性が一晩つきあえば治療一回分ただにしてくれる。
ドタバタしながらも譲り受けたアジトの大家さんの事務所まで来た一行。早速ドアを開けるとそこに待っていたのはマスクを被って大柄なあからさまに怪しい出で立ちの女性だった。
大家さん「いらっしゃいませ」
カルロス「ミッドナイトくそったれ一家のイチローからこの建物を譲り受けたんだが」
大家さん「あー例の家ね。連絡は受けてるわ。ただちょっと困ったことになってるのよね」
カルロス「なにかトラブルでも?」
大家さん「それがね...」
なんでも彼女が言うには最近そのアジトの周囲に暴走族が出没するようになったとのこと。くそったれ一家が引っ越しを決意したのももとはと言えばそれが原因。このまま貸し手が見つからないと他の物件にも影響するので、出来るならば暴走族を排除してほしいとのこと。うまくいけば家賃を格安にして、更に金銭報酬も出すとのこと。
カルロス「OK、承った。ただ俺達車移動が基本だから沙京は微妙なんだよな。あそこの治安の悪さだといつ車を盗まれるかわかったもんじゃねえ」
大家さん「ハイハイなかなか商売上手だね。沙京から一番近い軍艦島にちゃんとしたセキュリティの駐車場があるから、そこも格安で貸したげるよ」
カルロス「そんなつもりで言ったわけじゃないが、その提案はありがたく受け取っておこう。じゃあとは俺達の仕事だ」
こうしていつもの地道で危険な情報収集の時間の始まりである。
チンピラに囲まれたり謎の生物に何故か情報を教えて貰ったり世界の敵の婆がミナミだけで頑張ったりした結果ー
暴走族は独立盟約《※装甲十字軍》を名乗っているが、実際は全く関係ないチンピラである。
しかし彼らを操っているのは五大盟約のどれかのようである。
彼らの雇用主がその場所で《なにか》をする間に他人が近づけないようにするのが目的である。
もう《なにか》は終わっており、どうやら彼らはその場所で暴走することに単にハマっているようである。
※装甲十字軍:湾岸高速を爆走するオオサカ最凶最悪の暴走族。聖戦と称して殺人、強姦、略奪とやりたい放題の狂信者集団でもある。
結論:難しいことは考えずにぶっとばすぞい
というわけで遠回りしたあげく実力行使という至ってシンプルな結論に至った彼らは沙京のアジトまで殺る気満々で来たのであった。タニザキをジェイルハウスに留守番させて。
カルロス「暴走族と対峙する前にククバットに囲まれたらヤバいし」
タニザキ「」
ツァオ「なんでその代償取っちゃったかなー」
タニザキ「」
血戦自体はいとも容易く終戦した。事前に武器を揃え、たっぷりと休息を取って心身共に万全の空飛ぶ暴力キャッツの前にチンピラ集団など敵ではなかった。
そして血戦中大怪我で我を失って無力化していたチンピラを一人確保しようとしたところー
パーーーーンッ
遥かに遠いところから微かに聴こえる銃声と倒れるチンピラ。凄腕のスナイパーと哀れなチンピラを口封じした巨大な組織の影を感じながらー
「見なかったことにしよう」
大家さんに暴走族撃退の連絡を入れて、忘れないうちに死体も漁って、今日もいつも通り生きててよかったねと言いながらオオサカの夜は更けていくのであったー
カルロス「ようユーリィ。いつの間にか姿が見えなくなってたから心配したぞ」
ユーリィ「いやちょっと野暮用で。それより新しい仲間を連れてきたから紹介するよ。ツァオとタニザキだ」
ツァオ「はじめまして。読み書きが出来ないせいで職場で虐められてるけど、お金だけはあるツァオ・ビクトルです」
タニザキ「あたしゃちょいと修羅場慣れしてるだけのただのババアだよ!ただ若い頃から無茶やってたのが響いたのか最近じゃ《※世界の敵》扱いでいつも命を狙われてるぐらいかねえ」
※世界の敵:ミナミか自分の縄張り以外のエリアに入ったとき、一定の判定をする。判定に失敗すると「盟約戦闘員」(そこそこ強い)が1D6人襲ってくるという迷惑千万な能力
カルロス「こりゃまた変な人材が来たなー。とりあえずみんなで自己紹介しつつ、オオサカ亜侠の伝統に従ってチーム名変更しようか」
ツァオ「心機一転ポジティブにいきたいし空飛ぶはつけたいなー」
タニザキ「亜侠たるもの暴力暴力&暴力あるのみだよ!」
カルロス「じゃあ元々のチーム名と合わせて空飛ぶ暴力キャッツかなぁ。一気にバイオレンスな感じになっちゃった」
ユーリィ「ところでフェルナンドくんと怪盗マハラジャさんの姿が見えないんですけど」
白葡萄「あの二人なら表の仕事だか趣味だかが忙しいからって暫く離脱だよー」
とにもかくにも新メンバーを迎え入れてガヤガヤしていると、彼らの前に男が一人。あの厄介な幽霊屋敷の事件を持ち込んでくれた《ミッドナイトくそったれ一家》のイチロー・ヤマモトだ。
イチロー「よ!この前はありがとうよ!さあ報酬を受け取ってくんな!」
そう言ってイチローは約束通りの現金と、家の鍵、そしてメモを渡してきた。
イチロー「この鍵が俺たちが以前使ってたアジトの鍵だ。アジトは沙京にある。メモにはアジトの住所と大家さんの住所と両方書いてるからよ。とりあえず大家さんに挨拶しておいてくれや」
カルロス「毎度、またなんかあったらいつでも言ってくれ」
イチロー「こちらこそ。ところでつかぬことを聞くが、あの坊主はさっきから扇風機?とイチャイチャしてるんだが、なんかヤバいクスリでもやってんのか」
白葡萄「失礼な!彼女は僕の恋人です!ねっエレーナ」
名状しがたき扇風機のようなもの改めエレーナ「ブオーーーー」
イチロー「アッヨウジオモイダシタカラモウカエルネ」
カルロス「アッハイ」
ツァオ「じゃあ次にやることも決まったみたいなんで、病院連れてって貰っていいっすかね。なにげに動物園からずっと気絶寸前なんで...」
カルロス「あっ忘れてたわ」
というわけで亜侠御用達の※乃木クリニックで安くない治療費を自分で支払ってなんとか回復したツァオ。白葡萄に乃木院長からの熱烈なお誘いがあったものの、白葡萄は断固拒否したそうな。
※乃木クリニックの乃木院長:裏社会で有名な闇医者にして年下・美形好きのゲイ。彼の好みの男性が一晩つきあえば治療一回分ただにしてくれる。
ドタバタしながらも譲り受けたアジトの大家さんの事務所まで来た一行。早速ドアを開けるとそこに待っていたのはマスクを被って大柄なあからさまに怪しい出で立ちの女性だった。
大家さん「いらっしゃいませ」
カルロス「ミッドナイトくそったれ一家のイチローからこの建物を譲り受けたんだが」
大家さん「あー例の家ね。連絡は受けてるわ。ただちょっと困ったことになってるのよね」
カルロス「なにかトラブルでも?」
大家さん「それがね...」
なんでも彼女が言うには最近そのアジトの周囲に暴走族が出没するようになったとのこと。くそったれ一家が引っ越しを決意したのももとはと言えばそれが原因。このまま貸し手が見つからないと他の物件にも影響するので、出来るならば暴走族を排除してほしいとのこと。うまくいけば家賃を格安にして、更に金銭報酬も出すとのこと。
カルロス「OK、承った。ただ俺達車移動が基本だから沙京は微妙なんだよな。あそこの治安の悪さだといつ車を盗まれるかわかったもんじゃねえ」
大家さん「ハイハイなかなか商売上手だね。沙京から一番近い軍艦島にちゃんとしたセキュリティの駐車場があるから、そこも格安で貸したげるよ」
カルロス「そんなつもりで言ったわけじゃないが、その提案はありがたく受け取っておこう。じゃあとは俺達の仕事だ」
こうしていつもの地道で危険な情報収集の時間の始まりである。
チンピラに囲まれたり謎の生物に何故か情報を教えて貰ったり世界の敵の婆がミナミだけで頑張ったりした結果ー
暴走族は独立盟約《※装甲十字軍》を名乗っているが、実際は全く関係ないチンピラである。
しかし彼らを操っているのは五大盟約のどれかのようである。
彼らの雇用主がその場所で《なにか》をする間に他人が近づけないようにするのが目的である。
もう《なにか》は終わっており、どうやら彼らはその場所で暴走することに単にハマっているようである。
※装甲十字軍:湾岸高速を爆走するオオサカ最凶最悪の暴走族。聖戦と称して殺人、強姦、略奪とやりたい放題の狂信者集団でもある。
結論:難しいことは考えずにぶっとばすぞい
というわけで遠回りしたあげく実力行使という至ってシンプルな結論に至った彼らは沙京のアジトまで殺る気満々で来たのであった。タニザキをジェイルハウスに留守番させて。
カルロス「暴走族と対峙する前にククバットに囲まれたらヤバいし」
タニザキ「」
ツァオ「なんでその代償取っちゃったかなー」
タニザキ「」
血戦自体はいとも容易く終戦した。事前に武器を揃え、たっぷりと休息を取って心身共に万全の空飛ぶ暴力キャッツの前にチンピラ集団など敵ではなかった。
そして血戦中大怪我で我を失って無力化していたチンピラを一人確保しようとしたところー
パーーーーンッ
遥かに遠いところから微かに聴こえる銃声と倒れるチンピラ。凄腕のスナイパーと哀れなチンピラを口封じした巨大な組織の影を感じながらー
「見なかったことにしよう」
大家さんに暴走族撃退の連絡を入れて、忘れないうちに死体も漁って、今日もいつも通り生きててよかったねと言いながらオオサカの夜は更けていくのであったー
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