ヴァシリー「まだ約束の期限まで時間はある。みんな他に調べたいことはあるか?」
チャン「ウクライナ・ベイベ本人のことも調べたいな」
堺「依頼人のこととか」
シャカ「今のうちに武器なんかの調達も済ませておきたいのう」
シーフ「買い物は任せてください」
ヴァシリー「あとはウクライナ・ベイベを追っていたという兵士か」
イリア「では僕はミナミをブラブラしようかな」
チャン「おいやめろ」
ヴァシリー「まあ今のところ戦闘に極振りしてるイリアは情報収集の段階ではまだ活躍できないがなー。とりあえずシーフに買い物してもらいつつ他の5人で手分けして情報収集だな」

というわけで時間の限り情報をかき集めることにした紳士的外道インザダークの面々。イリアが奇声を発する謎の生物に何故か繰り返し出会って情報を回収したり、チャンが図書館で謎の黒い装丁の本に導かれるまま頁を開くと正気度を5点失いつつクトゥルフ知識を5点得たりしているとー

チャン「リーダー大変だ!」
ヴァシリー「どうした。なにかヤバいネタでも掴めたか」
チャン「それが情報提供してくれた女子高生のミカちゃんといつの間にか付き合うことになっちまった!」
ヴァシリー「よしわかった今すぐ仕事に戻れ」

こうして茶番を挟みつつも各自が収集した情報を共有していくとー

・ウクライナ・ベイベはウクライナの孤児院出身でロシアの政府機関により拉致。スタートケーキの在処を示したタトゥーを入れられ生きた地図にされたところ隙を見て脱出。単身オオサカまで辿り着く。

・ウクライナ・ベイベは孤児院に帰りたがっている。

・依頼人のセルゲイはウクライナ・ベイベにタトゥーを施したロシアの政府機関の人間である。

・ウクライナ・ベイベを追っているのは米軍である。

・セルゲイの手勢はウクライナ・ベイベを追っている米軍チームより戦闘力が高い。

ヴァシリー「うーん知らない方がよかったまである」
シーフ「でもウクライナ・ベイベは助けてあげたいです」
堺「うまくいけば依頼人のセルゲイをわしのトリコにしてなんとかできるかも」
ヴァシリー「なんにせよまずはベイベの身柄を確保しなきゃ話にならん。もう時間的余裕もないしな」
シャカ「情報集めてる合間にシーフと協力して必要なものは粗方揃えてあるぜ」
ヴァシリー「よし行くか。最後にベイベが目撃されたのは日本橋電気街の雑居ビルだったな」

紳士的外道インザダークの6人が目的の雑居ビルへと向かう。階段を上がり各階をクリアしていく。屋上へと続くドアの前まで来たところである種の緊張感が漂ってくる。6人が改めて武器を構えて屋上へと飛び出すと、そこに待ち構えていたのはー

3人の兵士!そして謎の宇宙人!
《非現実の恐怖》との遭遇に全員耐えるも、兵士と宇宙人はこの場への闖入者は全て排除せんと有無を言わせず襲いかかってくる。宇宙人の傍らにロープで拘束された少女が倒れているのを確認しつつもいざ血戦である。

※非現実の恐怖:《都市伝説》というカテゴリのモンスターを初めて見たキャラクターは恐怖への耐性を判定しなければならない。失敗すると《精神点》を1D6点失う。

イリアこそ今までの鬱憤を晴らすべく両手に持ったハンダゴテで敵を確実に削っていくものの、今度は戦闘があまり得意ではない他の5人が消耗していく。徐々に行動の余地が失われてきたところでチャンがおもむろに携帯を取り出す。

チャン「助けてミカちゃん!!!!」

ミカちゃん「コーホー・・・コー・・・・・・ホー」

チャンの祈るような叫びに応えてどこからか現れたミカちゃん。長い黒髪と血のように赤いワンピース。右手にはチャンと通話していたであろう携帯電話。左手に持つのは血に彩られた包丁。愛の殺人鬼ミカちゃんが颯爽と兵士の群れへと襲い掛かる!!
必殺の意志のみが籠められたアサルトライフルが火を吹く。ステアーAUGの凶弾が無慈悲に撃ち込まれる。銃火が止み憐れ殺人鬼は爆発四散。

チャン「ミカちゃーーーーーーん!!!!!」

彼女の死がチームを覚醒させたのか、それとも彼女の霊が敵を縛ったのか、徐々に形勢は逆転していき、最後には敵を殲滅することができた。


ヴァシリー「なんとか勝ったな。ただこの時点でギリギリなのにセルゲイの手勢は更に強いと来たもんだ。こりゃベイベを救いたかったらやっぱり堺に頑張ってもらうしかないか」
堺「なんとか二人きりの状況を作ってもらえれば、あとはワシの手練手管と運次第」
ヴァシリー「じゃとりあえずセルゲイをジェイルハウスに呼び出すか」

ベイベを引き渡すからとセルゲイをジェイルハウスに呼び出し、まずはジャブがわりに《告白》しようとするも、セルゲイの《好み》からはかけ離れていて断念。

※告白:対象の《好み》のいずれかを満たしていることを条件に判定できる。ロールプレイが苦手な人でも相手を落とせるが、逆に言えば無理なものは無理になってしまう
※好み:年齢とどの能力値が一番高いかの二種類。恨みっこなしのオープンダイスにより決定。

最後になんとか無理矢理ジェイルハウス内の個室で堺とセルゲイを二人きりにして《無言で押し倒す》もこれまた失敗。

※無言で押し倒す:視界に自分と対象以外他のものがいない状態で判定可能。告白して駄目なら身体で言うことを聞かせる最終手段であるが告白と比べて当然難度は高い。

セルゲイ「なんだこの色情魔の爺は。それよりよくやってくれたな。約束の報酬だ。ではウクライナ・ベイベはいただいていく」
ヴァシリー「ああ・・・」
セルゲイ「なんだ情でも移ったか。まあ貴様らもそのうち馴れる。人の命の安さにな」

セルゲイの去っていく背中を苦々しく見届ける面々。
ヴァシリーの仕事は成功したが苦い思いだけ残っちまったなという呟きがジェイルハウスの喧騒に飲み込まれていった。


色々あったけど生きててよかった!



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